ケータイ小説 野いちご

性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

繋がれた鎖、閉ざす心。


足首の痛みは翌日もまだ微妙に続いていたため
氷彗の運転する車で丘の下の総合病院を受診。

「俺は駐車場にいるから。
 今日は真っ直ぐ戻ってきて」

「あ、はい」

前回の失敗があったから
最後まで念押しされて別れ
私は受付をして順番を待った。

平日の午前中だけど
待合室には多くの患者が順番を待っていて
私も同じように長椅子に腰掛け
呼ばれるものを待っていた。


ーーーと、廊下の向こうから
白衣を着た50だいくらいの医師1人が
4人の他医師を引き連れて
こちらへ歩いてくるではないか。

こんなシーン
医療系のドラマでしか観たことがない。

ちょうど私の前を通過する頃には
受付を待つ患者も顔を上げて目で追い掛けている。

そして誰もが一瞬で勘付く。
“この人がトップなんだろう”と。

団体医師の後ろ姿を見送った頃
私は看護師に呼ばれ
診察室へと入っていったーーーー



足首の診断は
ちょっと酷い捻挫、という事らしい。
湿布と痛み止めの薬を貰い
氷彗の待つ駐車場へと急いだ。

「ごめん!
 遅くなった!」

「…別に構わない」

車内で小説を読んでいた彼。
ずっとここにいたのかな。
さすが引きこもり。

「足は?」

「うん、たいした事なかった。
 薬も貰ったし」

シートベルトをしながら答えると
『そっか』と一言しか答えないものの
穏やかな表情をしている。


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