ケータイ小説 野いちご

性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

そんな話、聞いてませんけど。


成人してから早くも5年の月日が流れ
一歩先を行く友人達は結婚ラッシュの波に乗っている。

祝福の中に焦りを感じ始めたのは、つい最近。

6月の梅雨真っ只中に親友の結婚式に招待され
雨にも負けないほどの花嫁の幸せに満ちたキラキラと輝く笑顔と、見守るように寄り添う花婿の仲睦まじい光景を拍手で見届けながら
『私もいつかこんな風に…』なんて淡い夢を見ていた。


夢を見るのは悪い事じゃない。
好きな人すらいないけれど
目標があってこそ
モチベーションに繋がるってもの。

そうやって自分へプラスに言い聞かせて
今日も現実の世界へと戻っていく――――




「契約…満了、ですか…」



努めている会社にいつも通り朝8時に出社して
社長直々に呼び出されたかと思えば
手渡されたのは”契約期間満了の通知書”

何か特別なスキルがあるわけじゃない私は
子供の頃から”将来の夢”みたいなものも無く
契約社員で中小企業に入社し
云わばOLとして働いてきた。

『次の更新はどうなるんだろ』と
不安な日々の中での、解雇通達。

終了期限は1か月。
ついに来てしまったんだ。


たったの1年半
紙切れ1枚で、あっさりと終わりを告げられて
あまりの打撃と急激に押し寄せる今後の心配に
仕事なんて手に就くはずもなく
時間だけが過ぎていき、終わってしまった1日。


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