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魔法の恋の行方・わがままな使い魔(シリーズ2 クラリスとアンバー)


交流会・4日目 14-15ページ

<グスタフ皇国・王宮・大広間・交流会4日目・10時>

交流会4日目。今日は知識を問う試験だ。
科目は幾何学(きかがく)・地理・歴史・生物・科学・天文学。

アンバーは家庭教師からしっかり、受験対策指導を受けていた。
問題用紙と解答用紙が配られ、参加者はペンを持ち、問題用紙に向かった。

アンバーも解き始めた。これならいける!パーフェクトだ。
アンバーの隣に、クラリスは座っていた。

まったくクラリスの手が動いていない。
目が遥か彼方(かなた)にいっている。夢をみるようにうっとりしている。
<問題を解かないのか?解く気がないのか?わからないのか?>

アンバーはその様子に気にはなったが、頭を振った。
クラリスなんてどうでもいい。今は自分の課題に集中しなくては。

その瞬間
クラリスのペンが猛烈に動き出した。
ものすごく集中している。

一番早くアンバーが手を上げた。問題が終了したので、退出する合図だ。
そして、立ち上がる時にクラリスの解答用紙が見えた。
「えっ?・・・・・」
紙には・・グスタフ皇国皇帝の顔が描いてある。それもうまい。
クラリスも手を上げた。早く退出したいのだろう。

係りの側近が回収に来た。
その時点でクラリスの解答用紙は、まったくの白紙状態になっていた。

昼過ぎに結果が発表された。
アンバーが満点で1位、クラリスは0点で最下位である。
当然の結果だが・・・

アンバーはその結果を知り、怒りが込み上げてきた。
クラリスの態度が悪い。
解答用紙に皇帝の似顔絵を描くなんて・・しかも白紙に戻して提出だ!
今回の交流会は、グスタフ皇国が主催だ。
父上の顔に泥を塗るような態度、あのやる気のない態度は本当に許せない!!

使い魔のイーディスにも問題がある。
(あるじ)の出来が悪ければ、それをしっかり指導するのが使い魔の役目でもある。

統治する者も心構えや、帝王学を学ばせるサポートをするのも使い魔の仕事だ。
クラリスの側に、イーディスがほとんどいない!それが大問題だっ!

アンバーは決心した。
ここはきちんと言っておかねばなるまい。
主催国のホストである自分が、言うべきだろう。

クラリスはどこにいるのだろうか。
他の参加者は明日の準備で忙しい。明日は音楽会だ。
それぞれが、国の紹介を兼ねて歌や楽器、踊りなどを披露する。
たぶん、外だ!
あいつは時間があれば、外に出て行った。
アンバーは王宮を出て、庭を通り抜け小さな茂みのそばにある池にむかった。


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