甲子園出場が決まった藤北の練習は、夏以上にキツイ練習となった。


齋藤先生の鬼のようなノックに、ペースが厳しく決められている階段ダッシュ。


1年生の中には、キツさのあまり嘔吐してしまう人もいた。


練習バカの碧ですら、練習終わりにはグッタリしている。


それでも、皆の顔はキラキラ輝いている。


どんなにキツイ練習でも、苦しそうでも、すごく煌めいているんだ。


「皆いい顔してる」


「そうだね」


マネージャーの私たちも、そんな部員を見ていると誇らしい。


本当に甲子園に行けるんだ。


碧の夢が叶ったんだ。


「すごくよく出来上がったストーリーですよね」


「……え?」


突然飛び込んできた冷めた口調。