それから数日。


キャプテンの栗ちゃんを中心とした新チームが早くも練習に励んでいる。


そんなマネージャーの仕事を覚え始めた頃、陽菜曰く“魔の合宿”が始まろうとしていた。


1週間、山奥の合宿所で強化合宿が行われる。


部員はもちろんのこと、マネージャーも相当ハードみたいだ。


1年のマネがいないから、私と陽菜の二人で仕事を回す。


まだまだ新米の私と二人なんて、陽菜に申し訳ないけど、やるしかない。


それに、今、すごく幸せだ。


碧のことを近くで支えられるこの環境がすごく幸せなんだ。


「うぅ…気持ち悪い……」


「大丈夫?もうすぐ着くらしいから、頑張って陽菜」


顔を真っ青にして、口元を押さえる陽菜の背中をさする。


砂利道のせいで、進む度にバスが跳ねる。


乗り物には強い私でも少し疲れるから、陽菜のは相当だろう。