【星矢、相当参ってるはずなのに、ロッカールームで唯一泣かなかったんだよ。自分が1番しんどくて、苦しい試合だったのに。すみませんでしたって謝ったんだよ。星矢は何も悪くないのに。けど、部員が撤収して、忘れ物チェックに戻った時、星矢が泣いてた。私、声掛けらんなくてさ。見て見ぬフリしちゃったんだ。今の星矢を支えられるのは桜しかいない。だから、星矢のこと、頼んだよ】


陽菜からのメッセージを眺めながら、窓の外の星矢宅を見つめる。


家の電気はまだ消えていて、碧が帰っていないことを示している。


【今日の碧、何があったの?どうしてあんなにツラそうだったの?】


既読はすぐについた。


【39度の熱。雨の中試合したのが響いたのかもしれないね】


そういえば…昔は体が弱かったんだっけ。