「なんだよ宝って。カッコつけてんじゃねーぞ」


「カッコつけてなんかねぇって。マジで」


桜子に俺の思いが届いてたらいいんだけど…。


届きそうもないかな。


「“マネは俺らの宝だから”。よっ日本一!」


「てめー、バカにすんじゃねぇっ」


「今の、栗に聞かせてやりたかったわ」


「あいつには言うなよ!絶対、からかってくんだから」


オギのくそウゼェからかいに反論しつつ、桜子の表情を盗み見しても、何の変化もない。


ずっと固まったまま。


でも、どこか悲しげだった。


「星矢!ちょっといい?」


「おう!」


早く行ってこいと言ったわりに、結局すぐに呼び戻す藍沢にテキトー返事をし、オギに向き直る。