俺は初めて自分のクラスではなくてよそのクラスに向かっていた。あのリーゼント頭の男の事をとうかに訊くためである。あいつは確かに幼馴染と言ったよな。
 他のクラスに行くことがこんなにも緊張するなんて思いもしなかった。
 情けないことに鼓動が早くなっている。
 なんでも勢いが肝心だと思いとうかのクラスの扉を思いっきり開けた。それはもう大きな音を立てて。まるで道場破りか何かのように。
 開ける前まではガヤガヤと騒がしかったクラスは一斉に静寂に飲み込まれていた。