カフェでの事件と、先輩とはじめてのキスを経験した次の日。空はどんよりとした曇り空で、雨が降りそうで降らない、ジメジメとした気持ちの悪い天気だった。


 そして相変わらず私は、気まずい気持ちで朝から高野さんと風紀委員の活動をしていた。



「(私がどうしたいかって……)」



 どうしたい、というより、何で私をそこまで目の敵にするのかを知りたい。いくらなんでもここまで嫌われる筋合いはない気がするもの。気に入らないって、だからってあそこまで言うこともないはず。


 私は、先を歩く高野さんの背中をじいっと見つめる。


 今日の活動も、各階の廊下を巡回して、校則違反の生徒に声を掛けるというものだ。