ケータイ小説 野いちご

とある先輩の、歪んだ狂愛。

recollection.2
歪んだ声





「…やられた」



ない、どこにもない。

下駄箱に当たり前のように入っていると思ってた運動靴が綺麗さっぱり消えている。


そろそろ女子選抜リレーの選手は本部であるテントに集まらなきゃなのに。


こうなるならわざわざいつもの場所に向かわなくとも、グラウンドの端でお弁当を食べればよかった。



『ならない。…俺そーいうの本当無理なんだよね』



あんな思いをするくらいなら。


馬鹿なことをしたと、馬鹿なことを言ったと後悔なんか誰よりもしてる。

どうしてあんな事を言ってしまったんだろう。



「…友達なんて、馬鹿みたい」



わたし達は単なる先輩と後輩っていう純粋な関係でもないのに。

首を絞められたり噛まれたり、考えれば普通じゃなかった。


それなのに友達になりたい…なんて。


わたしはいつからそんな事を思っていたの。



「靴…探さなきゃ」



とりあえず今はそれどころじゃなくなった。


なってくれる訳ないのに。

わたしなんかと、友達なんて。




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