廉side




「廉先輩…っ、また遊びに来てくださいね…!!」


「私ずっとずっと憧れてました…!」


「ご卒業おめでとうございます…!!」



とくに関わったことすらない生徒に言われても、どう返せばいいか不明だ。

「どうも」と素っ気なく返して、俺は1つのある場所へと向かおうとしていたとき。


目的地に居るだろう後輩の1人は誰かと話しているようだった。



「2年のクラス替え、嫌なクラスメイトが居るなら教えてくれ。俺が話つけてやるから」


「…先生、わたし大丈夫」


「大丈夫って…。また我慢するつもりなんだろ」



物陰からその様子を伺う。


頼まれ事は正直面倒この上なかったのだが、幼なじみの、それも相手がいじめられっ子となれば話は別。

周の分も俺が卒業するまで南 涼夏を見守っていたわけなのだが。



「我慢してないよ。わたし、2年生からは先輩になるから」


「だとしても…嫌がらせは中々収まるもんじゃないぞ、すず」



おい周、お前が厳重に見張ってろと頼んだ相手がモロ絡んでるぞ。