周side




「本当にいいのか?クラスメイトに知らせなくて」


「いーよ。だって俺が転校って知ったらみんな泣いちゃって授業どころじゃなくなるよ先生」


「…確かにな」



廉と涼夏だけが知ってればそれで十分。


クラスメイトに知らせてしまえば、結局は全校生徒にも知られる。

なんで?どうして?行かないでアマネ~なんて、毎日毎日うるさくて仕方ないでしょ。


せめて転校するまで、ここでゆっくり1人の後輩だけを見ていたいんだよ俺だって。



「お母さんにもお世話になりましたって伝えておいてよ」


「…はい」



やっぱりショートがいい。

その髪型が一番似合ってる。

スカートが見えなかったら制服カーディガン姿の中学生男子に間違えそうになるけど。


いつもの場所、毎度お馴染みとなったお弁当は数日前から2つ。



「クラスの奴らに笑われた?」


「はい、キモいイメチェンしてんなよって」


「それぜんぜん意味わかんないし」



なんだよキモいって。

イメチェンとイコールで繋がらないじゃん。

結局ただの僻みでしょ、そんなの。