「くるちゃん、ドーナツ買ってくるから許して」

「やだやだ!私の大事なドーナツ食べた!!おバカ!!」

 りーくんが帰って、1時間ぐらいが経った頃だろうか。

 知らない間に、冷蔵庫に入れていたドーナツをななちゃんに食べられていた。

「楽しみにしてたのにぃ……!!」

「執事に買って来させるから、ね?許して」

「自分で買ってこい!」

「あーはいはい」

 そんな調子で、ななちゃんにドーナツを買わせてきた。

 でも……。

「じゃあ、いつもの」

「やぁだ!」

「あ……可愛い……今日は猫ちゃんね」

 ハートマークをつけるようにそう言って、私にぶかぶかなななちゃんのパーカーを着せて、猫耳をつけて。

 これは、ななちゃんの誰にも言えない趣味だ。

 私を人形のようにして、着せ替えて。