「はぁ、真木くん大丈夫かな……」



 家庭科室で芽依菜ちゃんは頭を抱えている。今日は調理実習だ。夏休みが明けてからだから、かなり久しぶり。メニューはスープカレーとオーブンで焼くナンで、先生から説明を聞いて調理器具をそろえ終えた私たちは、小麦粉に少しずつ水を加えナンの生地をこねていた。



「真木くんが燃えちゃったらどうしよう。カレーがぐつぐつ煮える鍋に、真木くんが手を突っ込んじゃったらどうしよう……。そもそも野菜を切ってる時に指を切り落としちゃうかも……」