誰かが頭を撫でてくれる優しく大きな手に、うっとりと目を閉じた。

手の平から伝わる体温と、髪を梳く指先から深い愛情を感じる。


この大きな手は一体誰のだろう……?


「……天音」


____ドキッ


愛おしげに名前を呼ぶのは、篠宮くん。

えっ、なんで私の名前を……?


「慧くん………」


私も彼の名前を呼んで、ゆっくりとお互いに顔を近付けていく。


え、待って。またキスするの!?せめて心の準備させてってば!


私の思いとは裏腹に唇は重なっていく。


「ーーーだめっ……!!」


気づいたら私は、ベッドから飛び上がって叫んでいた。

あれ?教室に居たはずだったのにいつの間にか私の部屋………なんだ、夢か。