……あれ、俺、なんで寝てんの。

てか、ここ、どこ。

重たい瞼を開けると、俺の部屋のとは違う天井が見えた。

ツンとした消毒の独特の匂いに、真っ白な布団とそれを囲うようなカーテン。

え。

なにここ、保健室?

待って。
もしかして、今までの、全部夢?

起きあがろうと力を入れたけど、思ったよりも自分の体が重い。

……うわ、これ……この感覚……知ってるぞ。

最近なくなっていたけれど。

────シャ

カーテンの開けられた音がして、そこに目線を向ければ、

美乃里ちゃんが泣きそうな顔をしながらこっちを見ていた。

そしてすぐに顔を後ろに向ける。

「先生、水牧くん、起きましたっ」

美乃里ちゃんのその声で、カーテンから出された顔がふたつになる。

美乃里ちゃんと、養護教諭の……名前は、忘れた。