パレードが無事に終わり

控室に戻ってきた俺達。



俺はパイプ椅子に座り

誰とも話したくなくて
あえて、机に顔を伏せる。




綺月も、千柳も、天音も

早く好きな女のところに、帰ってくれ。


それで俺を、1人にさせてくれ。



そう願っていたのに……




「氷牙さん、大丈夫?」


「極甘なミルクティー買ってあげるから、
 元気出して。ねっ」


「今から4人で、千柳ん家に行こうぜ。
 朝まで、
 氷牙の泣き言に、付き合ってやるからさ」




天音、千柳、綺月が

普段の10倍以上の優しい声を
ふりかけてくるから

怒鳴り魔王の
黒羽氷牙になりきれない。





「わりぃ……
 一人にしてくんない……?」




顔をあげられないまま

俺は、弱っちぃ言葉を吐き出すだけ。