☆氷牙side☆




怒りがおさまらない。



目の前で大粒の涙をこぼす、みくるを

攻撃したくてたまんない。





電車で俺が好きになった相手が、
みくるじゃない?


なんだよ、その、見え透いた嘘は!




正直に言えよな!



昨日、総長と一晩一緒にいて

俺より王子顔の総長の沼に、
はまりきったんだって!!






今日の俺の計画は……


みくるが、完全に総長に落ちる前に
甘い言葉で攻めて。


俺たちが婚約者だって知る
証人を作って。


ステージで歌う俺に、惚れさせる。


恥ずかしさと戦いながら、
崖っぷちプランを遂行していたのに。