純白のウエディングドレスに身を包み
チャペルのドアの前で、肩を落とす私。
「こんなに色っぽく
マーメードドレスを着こなす女子高生、
見たことがありませんわ」
付き添いのウエディングプランナーさんに
微笑まれ。
「まるで人魚姫そのもの。
新郎様が惚れるのも、無理がありませんね」
腰まで伸びた赤茶色のウエーブ髪に
お花の冠を乗せられ。
「ほら。
新婦様にお似合いすぎです~」
オーバーに
パチパチと拍手をされているけれど……
私は、全然嬉しくない。
むしろ
この甘ったるいハッピー空間から
脱獄させて欲しい。