私の名前を大声で叫びながら、スライディング土下座で登場したのは……あの、韋駄天様だった。


架威にその姿を擬態され、韋駄天城の地下牢にある物質貯蔵庫の木箱の中に監禁放置されていた、韋駄天様。

翼と善見城の調査員に発見され、『生きた証拠』として、衰弱した体を抱えながらも裁判会場に連れてこられた。

この本物の韋駄天様の登場により、私の無実が公に証明されたのは良かったが、あまりにも衰弱が激しく、神殿の治癒師である弥勒様によって中座された。

そして、要治療と判断され、善見城内の神殿で療養していると聞いた……のだが。



『舞空、私が捕まってしまったばかりに、こんなことになって済まなかったぁっ!!』

『愚息が勝手なことをしたために、傷付けて済まなかったぁぁっ!!』



私自身、全ての来客の面会を拒絶していたにも関わらず。

同じ敷地内にいるのをいいことに、前触れもなく強行突破でこうして突撃謝罪してくるのだ。

神殿で療養中の身のはずなのに、関係者の目を盗んでは脱走して私の下へとやってくる。