一人前の神術士になったらまた逢える、だなんて曖昧で実現可能かどうかなんて、全くわからない。

……でも、この『約束』さえあれば。

みんなと離れても私は、この世界で一人で歩いていけるような気がしたんだ。

いつかまた逢える、曖昧でもいい。そんな約束を信じて。

前を向いて、胸を張って。

どこまでも行けるんじゃないかって。

そんなような気がした。





「……」



聖威の目がどんどん見開いていく。

驚きの表情が、不敵な笑みに変わっていった。



「……ははっ!ざまあにしちゃあ、こりゃ良い結末だな?」



ついには、声を出して笑う。



「何それ。笑えるの?人の一大決意を」

「あほ。嘲笑じゃねえぞ?歓喜!喜びの笑いだっつーの!」

「……あははっ」

つられて、私も笑ってしまった。

そしてもう一度、問い掛ける。



「……ねえ、聖威?」

「ははっ。何だよ。何度も聞いてきやがって」

「どう?私……神術士になれるかな?」



恐る恐ると伺いながら聞いてみると、聖威は満面の笑みで応えてくれる。

何の疑いもなく、言い切ってくれたのだ。



「……なれる!なれるさ!舞空なら、きっとなれる!立派な一人前の神術士に、な?」