それから次に耳にしたこととは、私が挑んだ裁判の顛末だった。



「保留ですか……」

「ああ。あの状態じゃもう裁判どころじゃないし。それに、舞空。君に冤罪をかけたのは韋駄天様ではなく、異世界の特級犯罪人であることが認められた。被疑者が異世界の者であるから……」

裁判続行は難しいということだ。

確かに。裁判の途中であんな魔族大戦争が起こってめちゃくちゃになってしまったのだ。

それに、当の韋駄天様は捕らえられていて、本に訴えるべき人物は、架威となってしまうのだ。

いろいろややこしくなっている。



……いや、そもそもこの裁判は、私の名誉回復と、架威を炙り出すことを目的とされた茶番劇だ。

その両方が達成されているのであれば、保留でも取り止めでも何でもいい。



そして、行方不明になった星見候補の令嬢が、調査官の手によって三名見つかった。

一人は、善見城の今は使用していない後宮から。また一人は、城下の花街の情宿の床下から。そして、韋駄天城のあの客室の床下からも発見された。

……見るも無残な姿となって。