そんな話をしながらも、着々と前に足を運んでいる私達。

やがて、天帝様の居城、この天界の心臓といわれる善見城が見えてきた。

ひとつの街のような大きさもしかり、艶のある白の石造りの城は美しく輝いていて、所々にあしらわれた金の装飾が神々しさをより表現してるよう。

圧巻のあまりいつ見ても深い嘆息が出る。

いつ見ても、素敵なお城。



だが、この異世界の人たちは私とは違う感想を述べていた。



「おぉー。見えてきましたよ、俺たちのやらかし現場が。いひひ」

「あぁ。料理長とかみんな、元気かな」

「やだなぁ銀ちゃん。アンタ、あそこに黒歴史ないもんね。……って、ロイヤルファミリーの食卓を騒然とさせたこと反省せいよ!」

「そうか?みんな喜んでたぞ」

「……」

聖威は、無言で善見城を見上げて見つめた後、目を逸らして前を向いて歩いていた。

(……)

そんな様子を見て、思うことがない訳ではない。



……昨晩、竜樹様と士黄様を加えた夕の食卓にて。

この三人が特級犯罪人の足取りを追うために善見城に潜入中、何をやらかして追い出されたのかを聞いてしまった。