Chapter2 恋のカタチ


ロンと遊びに行く日に備えて、服を買いに行きたい。でもこんなのご無沙汰だから、何を買えばいいのか分からない。だから、クラスの女の子に聞いてみようと思う…けど。
「ハニの低音やばくない?」
「わかる!色気マックスで超カッコいい!!」
「Live映像出るらしいし!」
「うそ!?見なきゃ!!」
…こんな中混じる勇気はない。世の女の子たちは、そんなにアイドルだか何だかが好きなのかな。いや、私が知らなさすぎるというのもあるのかな。
どちらにせよ、まずは聞かないことには…。と思っていた矢先、バッチリ目があった。
「あっ…」
「優奈ちゃんだよね?一緒話そ!」
「おいでおいで〜」
よかった…拒否されなかった。
「やっと話せるねっ」
「ねっ!」
「う、うん?」
「前からお話ししたいと思ってさ。でも、勉強してるから話しかけちゃいけないかなって…」
「そんなことは」
「なにか、話したそうな顔してたし!」
私ってそんなに分かりやすいかな。顔に出てるんだね。
「そうだ、一応名前言っとくよ。私が名波で、こっちが…」
「南でーす!よろしくっ」
名波ちゃんと、南ちゃん。なんだか覚えやすそう。
「周りからはよくナナミナとか言われるよ」
「わ、私は優奈、です…よろしく」
「あはは!よろしくね!」
…そういえば、さっき私の名前呼んでたっけ。
いやいや、自己紹介が目的じゃない。
「じ、実は…」


「へぇ、蓮くんと…」
「いいなあ。私も行きたーい」
「いいと思うよ。一緒に行こうよ」
すると、ふたりで顔を見合わせた。意思疎通が取れたらしい。
「やめとくよ!楽しんできてね」
「えっ?」
「それより、服を選びに行くんでしょ?今日行ってみよ!時間もないしさ」
そうしてくれるとありがたいな。
「希望はある?カワイイ系とか、クール系とか」
「…久しぶりだから、何がいいとかもよく分かんなくて」
「なるほど」
「じゃあ、私に任せて!優奈ちゃんにピッタリの服を選んであげる!」
「ありがとう、心強いよ」