最寄駅の改札を出ると、
「小夏」
不意に名前を呼ばれた。
声のした方にぐるりと顔を向けると、黒のセダンにもたれて立っているイチさんがいた。
「…イチ、さん…?」
何で…?
「小夏、スマホ見てないだろ?」
言われて慌ててコートのポケットを探る。
ずっとポケットに入れたままだった。
タップすると、イチさんからの着信3件、LINEが3件来ていた。
『帰り、危ないから迎えに行く』
『駅着く時間教えて』
『小夏、返事ちょうだい』
…迎えに、来てくれたんだ…
いつから待っててくれたんだろう。
「酔ってる?」
「…あ、いや…」
千葉先輩の告白を聞いた時点で酔いはすっかり冷めてしまっている。
「…既読にならないし電話も繋がらないし、マジで心配した」
「…あ、すいません。スマホ、コートのポケットに入れたままにしてて…」
「とりあえず、乗って」
「小夏」
不意に名前を呼ばれた。
声のした方にぐるりと顔を向けると、黒のセダンにもたれて立っているイチさんがいた。
「…イチ、さん…?」
何で…?
「小夏、スマホ見てないだろ?」
言われて慌ててコートのポケットを探る。
ずっとポケットに入れたままだった。
タップすると、イチさんからの着信3件、LINEが3件来ていた。
『帰り、危ないから迎えに行く』
『駅着く時間教えて』
『小夏、返事ちょうだい』
…迎えに、来てくれたんだ…
いつから待っててくれたんだろう。
「酔ってる?」
「…あ、いや…」
千葉先輩の告白を聞いた時点で酔いはすっかり冷めてしまっている。
「…既読にならないし電話も繋がらないし、マジで心配した」
「…あ、すいません。スマホ、コートのポケットに入れたままにしてて…」
「とりあえず、乗って」