ケータイ小説 野いちご

赤王子VS黒王子、私が欲しくてたまらないらしい。

5章「原動力」






………頭、重いな。

いや、重いってより、痛いかも。


原因は、わかってる。

教室内から見える廊下で、タケルくんとふざけ合ってる推しだ。


ふーん、奏様ってあんな感じで笑ったりするんだ。

男子の中での無邪気な笑顔……我が推しの笑顔、尊い。


とか思ってる場合じゃなくて!



「りか子ちゃーん、次のシーンなんだけどさ」

「あ、はい!」



監督に呼ばれ、教室内から廊下へ向かう。

奏様の前を通りすぎるとき、極力視線に入れないようにしたのに。



「……」



なんか今、通り抜ける一瞬こっち見てたような……。



いや、ナイナイナイナイナイ。


全部気のせい、全部私の勘違、


「監督、次のシーンなんですけど」

「……!」


監督と話す私の後ろから、ぬっと現れる長身の男、名は藤原奏志郎。


サッと身を避け、思わず距離を取ってしまった。

けど。

あからさまに避けてしまったことが逆に気まずくて、誤魔化すようにやっぱりそそそ…と寄っていく。


別に、避けてませんよアピール。


そんなことは全くスルーで、奏様は既に監督と話し中。


よしわかった、これはアレだ。

ごちゃごちゃ考えてるのは私だけっていう、羞恥的パターンだ……。



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