ケータイ小説 野いちご

絶対様

放火する

翌日、教室のドアを開けると泣き声が聞こえてきてギョッとして立ち止まった。


教室内を見回して見ると光が泣いているのがわかって更に驚いた。


あの3人のうち1人が声を上げて泣いているところなんて、想像もつかないことだったから。


咲があたしが教室に入ってきたのを見て、軽く舌打ちをした。


「見てこれ」


そういわれ、おずおずと泣いている光に近づいていく。


両手で顔を覆っていた光が手を下ろした。


その瞬間顔の半分ほどがニキビで覆われているのを見て、思わず悲鳴をあげて後ずさりをしてしまっていた。


いくら肌が弱くてもたった1日でここまで新しいニキビができるなんて……。


光は再び両手で顔を覆って嗚咽をもらし始めた。


せっかく綺麗になったと思ったのに、たった数日で前よりもひどい状態なってしまったのだ。


その苦しみや悲しみは計り知れない。


「絶対様なんて嘘だったんだ」


咲が歯軋りをして言った。

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