ケータイ小説 野いちご

絶対様

現実

「お前ら2人ともうっとおしいんだよ!」


怒鳴り声と同時にあたしの横にあったボール入れのカゴを思いっきり蹴られて、ガンッという大きな音が、体育館倉庫内に響いた。


あたしは大きな音にビクリと身を縮め、隣で小さく丸くうずくまっている右近美緒(ウコン ミオ)の体を抱きしめた。


元々小さな美緒の体は小刻みに震えていて、更に小さくなってしまったかのように感じられた。


倉庫と隣接している体育館からは誰の声も聞こえてこなくて、今日はすべての部活動が休みの日なのだと思い出した。


今体育館倉庫の中でどれだけ声を上げても誰にも気がつれないということだ。


あたしと美緒の前の前にいる3人組は、そのことを重々理解した上で今日あたしたちを体育館倉庫へ呼び出したのだ。


そう理解すると同時にスッと血の気が引いていくのを感じた。


いつも人にバレることを懸念している山家咲(ヤマイエ サキ)が容赦なくて音を立てているのを見て、これから起こる出来事が今まででもっとも最低なものになる予感が
した。


「黙ってないでなんとか言えよ」


一歩近づいて、凄みのある声で言ったのが咲だ。


咲はサラサラのショートカットで整った顔立ちをしている。


誰がどう見ても美少女だが、目はつりあがって表情はとても冷たい。


顔が整っているから、余計に恐怖心を掻き立てられる。

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