☆望愛side


 その日の午後になり

 もうすぐ入学式の受付が、始まる時間。



 高校の門をくぐった私は

 桜色のセーラー服姿で、
 不審者並みに周りをキョロキョロ。



 はぁぁ~と、安堵のため息をこぼす。



 良かったぁ。

 雨ちゃんもむち君も、いないみたい。


 午前中が、在校生の始業式だったから
 もう家に帰ったよね?



 
『同じクラスになると良いね』って、
 一緒にドキドキしてくれる友達が
 いない私。



 仕事場から直行のお母さんも、
 まだ来ていなくて
 

 友達同士ではしゃぎ合う子たちを横目に

 羨ましさと嫉妬で
 心がシュンとしぼんでしまう。