「奈結起きろ」

「んむっ……おはよう……」

 近寄ってきた綺麗な容姿の、服の袖をぎゅっと握りしめる。

「ほら、遅刻すんぞ」

「うー……はいはい」

 昨日は……焦った……。

 ちょっとバカにしてやろうと思ったら、本気でっ……。

「どうした、顔赤いぞ」

「あ、赤くない!!」

「真っ赤だ。」

「そんなことないもんっ!」

 ぷいっとそっぽ向いて、顔の熱を収めようとすると、

「おい奈結、そんな可愛い顔してんじゃねぇよ」

「へっ!?」

 目の前に夜毎の綺麗な顔が見える。

 ちちちちちちちち、近いっ……!?