今日から夏休み。やったー、いくら寝坊しても誰にも文句は言われない!サイコー!!
じゃ、ないんだよね。私と湊だけは・・・。
赤点を取った私は、夏期補習を受講するために、いつもの時間、いつもの電車に乗っている。
なんで夏休みなのに、制服着て学校へ向かってるの?悲しくなってくる。
補習の教室で湊と合流する。湊は部活のTシャツに短パンと涼しげな恰好。
ずるい、湊だけ涼しそう。
湊は補習が終わるとすぐに部活へ合流しなければならないからね。仕方ないか。
「湊、おはよー」
「芽衣、おはよ。今日から2週間、頑張ろうな。そうだ芽衣、知ってた?補習の最終日にテストがあるらしいぞ。それでまた赤点取ったら、進級がやばいって」
「はぁ?そんなの聞いていないんですけど!!無理だよ、私、物理できないもん」
「俺、数学が壊滅的だーーー」
2人で肩を組み、
「また来年も2年生やろうね、裏切りはナシだよ」
なんて、テストを受ける前から諦めていた。