仁坂を好きだと自覚した後、真っ先にしなければならないと思ったのは気持ちを隠すこと。

だってそうじゃん?

たまたま拾った友達と一緒に暮らしてたら好意を持たれたって困らない?
気まずいじゃん。

仁坂は優しいから私のこと好きじゃなくても付き合っちゃいそうだし・・・。

それに仁坂と私をじゃ到底釣り合わない。

あってはならないタブー。

絶対に付き合ってはいけない人。

だからこの気持ちは伝えない。

隠し通さなきゃ。

あわよくば消さなきゃ。

そうすることがせめて私に出来ることだから。

「お、はよ仁坂!」

あれ声上ずった。私やばいかも。

「おはよ。もう大丈夫?」と自然に仁坂に頭を撫でられそうになったから、反射的に避ける。

今撫でられたら絶対隠せ通せない・・・!!

避けられた仁坂は少しシュンとしている。

そりゃそうだよね。
今までペットのように可愛がってたのに反抗期きたかと思うよね!?