仁坂に私のことを話した後、私は泣き疲れて寝てしまったらしい。

起きたときにはふっかふかのベッドの上で眠っていた。

大きさもセミダブルぐらいある。
周りに置いてある物から見てここは仁坂の部屋で間違いないようだ。

近くの時計に目をやると時計の針は午前7時を指していた。

・・・ってちょっと待って7時!?私めっちゃ寝てない!?仁坂のベッド占領しちゃったし申し訳ない!

せっかく今日からお世話になるって言うのに出だしグダグダじゃん!

ドアを開けてリビングに向かうと何やらいい匂いがしてきた。

「あ、おはよう」
「おはよう。ごめん、昨日ベッド占領して」

仁坂はキッチンで朝食を作っていた。
自炊できるなんてさすがだ。
勝手にコンビニ弁当やインスタント食品ばかり食べているものかと思っていた。

「謝らなくていいよ。どのみち他のベッドないから俺ので寝てもらう予定だったし。それよりもぜんぜん起きないから怖かったんだけど」
「その節はご迷惑をお掛けしました・・・・・・。だってあんなふかふかなベッドで寝たの初めてだもん。そりゃなかなか目覚まさないよ」
「ふーん。そこの椅子にでも腰掛けてて」

そう座るよう促された椅子もバーにありそうなやつ。目の前の机は何とガラス張り。