主な撮影現場は、ホテルの近くにある山に囲まれた自然豊かな学校。

小さな木造の校舎が、田舎らしい雰囲気を醸し出している。

グランドと呼べるほどのものでもない、小さな運動場。

運動場のすぐ隣に流れている小川のせせらぎが、心地よく感じられる。

都会に暮らす者にとっては
新鮮な学校だった。


木の香りが漂う学校の教室で、席に着いた出演者達に台本が配られ、教壇で監督が話していた。


撮影される映画の内容が、田舎の町にスーパーアイドルの紫音がやって来たというもの。

その変化に伴う楽しさや戸惑い、変わっていく人間関係などを描いた作品になっていること。


渚は田舎に引っ越して来た紫音と、これまで好意を抱いていた涼との間で、揺れる女子高生役。


涼の役は渚のクラスメイトで一番仲の良い存在。
渚とは両想い。


紫音は芸能界のハードな仕事に疲れて、心が綺麗な渚に癒されるうちに、恋人になる役。


紫音はアイドルの紫音役であり、出演者達が素人の涼や渚を含め、無名に近い若手中心の共演者で、名前を売り出したい。

という意図もあり、役名は本名のままという話を、監督が説明した。

だから涼の役名は、涼のまま。

渚も渚のままで、映画の撮影することになった。