Virgnia(Gin)







『私の可愛いジーニー』


本名はバージニア。
愛称はジンジャーだ。
だが、祖母だけは必ずそう呼んでいた。

――ジーニー。


『妖精なんて、ガラじゃないのに』


頬を膨らませても、彼女は笑っていて。


『でも、私には可愛い妖精さんよ』


ちょっと困ったような、優しい笑顔が好きだった。


『ジーニー。あなたはお転婆かもしれないけれど。悪いことは悪いと、いいことは目一杯褒めてあげられる力をもった子よ』


何を言っているのか、全く分からない。
そんなものは力でも、長所とすら数えられない気がするのに。


『大人になっても忘れないで。反対されても、馬鹿にされても。あなたの気持ちのままに』


――約束よ、大好きなジーニー。