高校生活初日。それすなわち、入学式。
真新しい制服に身を包んだ私は、一人路頭に迷っていた。
先程クラス発表の掲示板で自分が一年B組であることを確認したはいいものの、教室までの道のりが分からなくなってしまったのだ。
どうしよう、このままだと入学式早々遅刻してしまう。
別にもう優等生ぶる気はないけれど、目立つ行動はできるだけ避けたい。
首を捻って対策を考える。ひときしり唸ってから、やっと解決策が浮かび上がった。
「人に訊けばいいのか」
そうと決まれば話は早い。
めぼしい人はいないかと辺りを見回すと、一人の男子生徒が歩いていた。この人でいいか。とりあえず近づいてみる。
「あの、すみません」
「ん?」
窓から覗く鉛色の空を背景にして、その人は振り返った。
真新しい制服に身を包んだ私は、一人路頭に迷っていた。
先程クラス発表の掲示板で自分が一年B組であることを確認したはいいものの、教室までの道のりが分からなくなってしまったのだ。
どうしよう、このままだと入学式早々遅刻してしまう。
別にもう優等生ぶる気はないけれど、目立つ行動はできるだけ避けたい。
首を捻って対策を考える。ひときしり唸ってから、やっと解決策が浮かび上がった。
「人に訊けばいいのか」
そうと決まれば話は早い。
めぼしい人はいないかと辺りを見回すと、一人の男子生徒が歩いていた。この人でいいか。とりあえず近づいてみる。
「あの、すみません」
「ん?」
窓から覗く鉛色の空を背景にして、その人は振り返った。