✟月姫side✟

「え!な、なにそれ!」

終業式手前、私の声がリビングに響いた。

「だから、夏休みは雷斗くんのお家にお泊まりでもしたらどうかなって」

「ま、ママ正気!?」

「千桜が冗談言うわけないだろ、月姫」

ぱ、パパまで!?

「ら、雷斗と泊まりなんてしたら私の心臓も身も持たないよ!」

「いいと思うけどなぁ。だって月姫、雷斗くんに心開いてるし好きでしょ?」

………え。

私が……雷斗に心を?

「……」

「自覚なかったのか?無自覚なのも千桜そっくりだな……」