ーガラッ

ドアを開けてゆっくりと見まわす。

すでに教室にはたくさんの人がいた。

廊下で騒いでる男子、ドアや窓から顔をのぞかている女子や、チームギャル。それから、、、目ん玉が飛び出るほどに大量の女子、、、集団?そのくらい人が集まっている。

中心にいるのは、さっき紹介したあのイケメン三人!?クラス表、華と朱里ばっかりで男子は見てなかったけど、同じクラスだったんだ、、、。知らなかった。

そして周りにいる女子たちの様子は、、、もじもじしている子もいれば、ズバズバ話しかけている子もいる。話しかけられているうちの二人は笑顔で質問に答えてあげているけど、もう一人の(たしか)一ノ瀬くんは


「うん、そうだね。」


って、適当に言ってる感満載。だけどそこがクールでいいらしい。

でも、こんな集団は見慣れない。去年は三人とも別々だったからここまで女子が集結することはなかった。

驚いた私たち三人は5秒ほど固まってしまっていた。そんな時、横から


「よっ、おはよう!」


と、話しかけてきた男子がいた。黒瀬くんだ。この学校では、色んな子と話している、おちゃらけ系の男子だ。


「おはよう!」


と、私も返す。たぶん私は、他の子と比べて、フレンドリーな方だとは思う。こんな奴だけど、みんなとは仲がいい。そこだけが、私のとりえかも。
だからもちろん、この学年で名前が分からない子はいない。

朝から、あんな集団を見ちゃって驚いたけど、あの三人と同じクラスなら、このクラスがさらに楽しく盛り上がるかも。

なんてことを思いながら私は色んな子に、おはよう、と声をかけて席に着いた。

そのあとの授業は、普通にHRがあって、自己紹介みたいなのをしたんだ。初めて同じクラスになる子もたくさんいるから、色んな子と顔見知りじゃなくて、友だちくらいに仲良くなりたい。

これからの一年が楽しみだな。

そして、このクラス替えが一つの運命だったことは、この時の私には知る由もなかった。