楽しそうに笑っている社長と、顔を赤くして不満げに眉をひそめている高御堂。



「ふたりとも、なんの話をしてるの?」



首をかしげた私を見て、ふたりは同時にため息をついた。



「ほんと、天然たらしなんだから」

「……お前、これからは俺たちが近くにいるわけじゃないんだから誰かに気安く抱きついたり、スキンシップをとったりするなよ」



え……?



「どうして?」

「自分の美貌を自覚しろって、いつも言ってるだろ……!」



美貌って……。

確かに、アイドルをしていたから、身だしなみには気をつけていた。

美容に関しても、徹底的に自分を磨いていたつもりだ。

けど……素材自体は普通だと思う……。

可愛い衣装や、メイクさんの力で綺麗に変身させてもらっていたようなものだもん。

それに……。