「なんで“カレン”が、この学園にいるんだって聞いてる」

「……っ」



彼の発言に、頭の中が真っ白になった。

思わずごくりと、息を飲む。

私……今、変装してるよね……?

なのに……どうして、私が“カレン”だってわかったの……?

ただじっと、私を見つめたまま……答えを待っている彼。

どうしよう、まさかこんなに早くに、バレるなんて……っ。

私は意を決して、恐る恐る口を開いた。



「……」

「……ひ」

「……」

「……人違いです……!!!」



そう言って、彼から逃げるように校舎へ向かって走る。

お、追いかけてはこない……今はとにかく逃げよう……!!

イケメンさん、助けてくれたのにごめんなさい……!!

心の中で、深く謝罪をした。