「……晴れか」

 翌朝、私は晴れ渡る空を見てガックリと肩を落とした。

 はあ、密かに雨が降ってくれないかなと期待したんだけどな。

 でも仕方ない。こうなったら朝練がんばらなきゃ。

「行ってきまーす」

 体操服を着て、スニーカーはいて、準備万端。私は勢いよく家を出た。

 いよいよ今日から、私と恭介くんの二人三脚の特訓が始まるんだ。なんだか緊張するなあ。

「お……おはようございます」

「よーし、来たな!」

 ジャージ姿でバンバンと背中をたたく恭介くん……と、その横にはなぜか八乙女くんがいた。

「あれっ、八乙女くん」

「おはよう、若菜さん」

「おはよー、若菜!」

 八乙女くんの後ろからひょっこりとサエちゃんが顔を出す。

「私たちも二人三脚の練習することにしたんだ」

「そうなんだ。一緒に頑張ろうね」

 楽しそうに会話をするサエちゃんと八乙女くん。いいなあ。

 私がぼうっとそんな二人を見ていると、恭介くんが縄を手にこちらにやってきた。

「よーし、それじゃさっそくやってみようぜ」

「うん。こっちの足で良いのかな?」

「じゃあ、俺はこっちね」

 足にギュッと縄を結びつける。
 背の高い恭介くんらしく、靴がビックリするぐらい大きい。

「それじゃあ行くよ」

 恭介くんが私の肩を組む。
 いよいよ二人三脚の特訓のスタートだ。
 掛け声を上げながら走り出す。

「いちに、いちに……あっ!」

 だけど、ほんの二、三歩歩いただけで、すぐに私たちは地面に転がってしまった。

 うーん、やっぱり二人三脚って難しい!