「――それでは、以上が体育祭の日程です」

 担任の先生が「体育祭」と書かれたプリントを配る。

 私はそのプリントを見るなり、はぁと大きな溜息をつきながら、肩を落とした。

 体育祭かあ……。ユウウツだな。

 何せ、私は運動が大の苦手。

 でも、クラスでは女子たちが「楽しみー」と盛り上がってる。

 それもそのはず、うちの学校の体育祭では、ラストにフォークダンスがある。

 このフォークダンスでは誰と踊るかは自由なんだけど、一緒に踊ったカップルは一生幸せになれるってジンクスがあるんだ。

 ま、私には関係ないんだけどね。

「それでは、体育祭でやる二人三脚のペア決めをしたいと思います。まずは女子の担当の方、こちらへ」

 朝のホームルーム。学級委員長がくじの入った箱を持ってうながす。

 うわっ。いよいよかぁ。

 私とサエちゃんは顔を見合せた。

「うわ、やだなあ」
「誰とペアになるんだろうね」

 私とサエちゃんをふくむ五人の女子がしぶしぶ立ち上がり、一人づつくじを引いていく。

 苦手なバレーやバスケみたいな球技よりはマシなんだけど、男子とペアを組んで走るなんて緊張しちゃう。

 私が引いたくじの番号は二番。

 いったい、誰とペアになるんだろう。