「はー、面白かった。さすがフレデリカ先生」

 涙をぬぐいながら本を閉じる。

 いつもながら、フレデリカ先生の作品は乙女チックでたまらない。

 『いちごタルトは恋のお味』は、ケーキ職人だったお父さんが亡くなってしまい、突然ケーキ屋さんの跡取りになってしまった女の子、エミリーのお話。

 先代の味を再現しようと苦労しているエミリーの元に、昔から店のファンだというちょっとぶっきらぼうなイケメンが現れてアドバイスをする。

 最初はいけ好かない客だと思っていたんだけど、二人はだんだん惹かれあう。

 そしてある時、そのイケメンは貴族の王子様だっていうことが分かるんだよね。

 美味しそうなイチゴやレモン、チョコレート、クリームにマカロン。

 そしてラストの舞踏会。『いっしょに踊っていただけますか?』って王子様がひざまずいて手を取るシーンがもう最高!

 ドレスの描写もキラキラしてて――ああ、こんなレースとリボンとスイーツのキラキラした世界に行ってみたい!