帰宅してからも、あたしは何度も今日の出来事を反復していた。


グラウンドで真剣にボールを追いかけている洋人君の姿を思い出すと、胸がギュッと苦しくなる。


そして同時に嬉しくもなった。


「今日は眠れなさそうだけど、もう寝るね。おやすみ、お父さんお母さん」


あたしは棚の上に置かれている2枚の肖像画へ向けて声をかけ、ベッドにもぐりこんだのだった。