学校に登校するとクラスの4分の1が休んでいた。


大夢に続いて啓治がいなくなったことが関係しているのは明白だった。


「えー、今日は全校集会があります。その後すぐ帰りの会で、終わりです」


教卓の前で先生は淡々と説明する。


啓治がいなくなったことは連絡網ですでに回っているから、先生の口からはなにも言われなかった。


普段なら思いがけず早く帰れることを喜ぶクラスメートたちだけれど、今日はとても静かだった。


「啓治君までいなくなるってどういうこと?」


「わかんない」


「でも、大夢君と啓治君って仲良かったよね」


「なにか関係あるってこと?」


ひそやかにささやかれる話に耳を塞いでしまいたくなる。


全部僕のせいだという焦燥感が胸に湧き上がってきて、奥歯をかみ締めた。


みんなを助けなきゃ。


梨乃や誘拐された子だけじゃなくて、大夢も、啓治も!


僕はそう心に決めたのだった。