結局、今日も梨乃を見つけることは叶わなかった。


僕は自分の部屋のベッドに寝そべり、大きく息を吐き出した。


梨乃が突然行方不明になった一ヶ月。


最初は梨乃がいなくなったなんて実感がなくて、いくら母親から話を聞いても納得

できなかった。


明日はきっと学校に来る。


明後日にはきっと学校に来る。


そう信じて毎日を過ごしていた。


それでも、梨乃は学校に来なかった。


どれだけ待っても来なかった。


次第に梨乃が行方不明になったということがリアルに感じられるようになり、途端に恐怖を感じた。


僕にとって梨乃は唯一の友達で、なにをするにも梨乃が一緒だったからだ。


僕の世界は梨乃と共に存在していたから、そんな梨乃が忽然と消えてしまったことで僕の世界は暗転した。


なにをどうすればいいのかわからなかった。


いつもの道のりが、いつもの学校が、いつもの授業が。


すべてが黒く塗りつぶされる。