滑らかな肌触りの感触に
フワフワしたものが体を包んでいて
微かに鼻を掠めるアロマの香りに
まるで天国を感じるーーーーー

「…う〜ん…」

ゴロンと寝返りを打ち
夢見心地になりながら布団に顔を(うず)めてみる。

「気持ち良さそうだね」

「…んぁ?」

耳元に優しげで聞き覚えのある目覚ましボイスで細目を開け、ニコリと笑顔の声の主と目が合い・・・

「うわぁぁぁぁぁぁっっ」

勢いよく飛び起きたのは言うまでもない。
 
「ななななななんなんで貴方がッッ」

目の前に立っている鳴瀬さん。
ハッとしてキョロキョロと辺りを見渡し
見知らぬ部屋のベッドで寝ていた現実に
一瞬にして目が覚め愕然とした。

「ここって…まさか…」

「その《《まさか》》だよ。
 ようこそ、俺の家へ」

「お、俺の家!?」

って事は
つまり私は《《失態》》を…

頭の中を駆け巡る“悪い予感”

「おはよ、由凪さん
 昨日は…気持ち良かった?」

ベッドの端に腰掛けた彼に優しく言われてしまい。

「ひぃぃやぁぁぁあ!!」

思わず
怪奇的な悲鳴を上げてしまった。