ー1年後ー


キーンコーンカーンコーン



放課後のチャイムが鳴り、部活に向かう生徒や帰宅する生徒で廊下が賑わっている。


「スゥー…ハァー…」


私は一人教室の扉の前で深呼吸をし、

ドクドクと心臓を落ち着かせ、扉が開かれたと同時に意を決し、"あの人"が出てくるまで待機する。


「あ〜ねっみ〜。
なあ、今日どっか寄ってかね?」

「いいよ、どこ行く?」

「焼肉〜」

「え、今から?」


教室から2人の男子生徒が出てきたのを私は見逃さなかった。


「とわぴ!!!」


2人が歩き出そうとした時、片方の男子がこちらを振り向いた。


はあ…♡不思議そうに振り返る仕草も素敵…

…って違う違う!

彼の顔を拝みに来たんじゃなかった!!

ブンブンと首を横に振り、彼の瞳を真っ直ぐ見つめ、目の前に立ち止まる。


「…あ、あの!!!」


緊張しているのをバレないように力一杯声を出す。

そして私は彼の前で跪き、自分の気持ちを伝えた。


「好きです!!付き合ってください!!!」


3本の赤いバラの花束とラブレターを添えて───