『圭衣、大きくなったら僕が圭衣の指に素敵な指輪はめてあげるからね。それまで、誰のものにもなっちゃダメだよ』



『うん!』



┅ ┅ ┅ ┅ ┅



「お嬢様、おはようございます」



わたしの朝は専属執事である彼女の一言で始まる。



それにしても、懐かしい夢を見た。わたしに指輪の約束をしてくれた銀髪の男の子。また会えることをわたしは密かに信じている。



「おはよう、朔羅(さくら)



わたしの名前は西宮圭衣(にしみやけい)私立王日黒百合学園高等学校(しりつおうかくろゆりがくえんこうとうがっこう)の2年生だ。



お金持ちばかりが住んでいる街、王日市にある大きい屋敷に住んでいる。



「お嬢様、今朝の朝食はいかが致しましょうか」



「あー、フレンチトースト1枚にする」



わたしの朝はパン派で、あまりたくさんは食べられない。



「かしこまりました。制服出しておきましたので、今日はこちらで着替えてくださいね」



「うん。わかった」



いつもはクローゼット部屋で着替えるのだけど、今日は遅めに起きてしまったからか、部屋で着替えることになった。