「じゃあ、そろそろ時間です。披露宴なので、笑顔で行きましょうね」



披露宴会場は、チャペルの隣にあり、ほど良い広さで天井が高くて気に入った部屋だった。



分厚くて重い扉。



ゆっくりと開き、先生とふたりで選んだ曲がかかる。




眩しいライトと拍手。


教会での緊張もなくなって、披露宴を心から楽しめそうだ。




親族のテーブル、先生の同僚や、私の会社の人のテーブル・・・


そして、先生の友達、私の友達のテーブル。




まだ紹介されていなかった喜多先生や、飛田さんはどの人だろうって考えながら、みんなの顔を見つめながら歩く。



たっくんが指で『ヒューー』と鳴らして、先生がたっくんの肩を叩いた。




一生に一度の結婚式。


みんなにお祝いしてもらえるこの披露宴を精一杯楽しもう。